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【gBizINFO活用事例】gBizINFOのデータがSnowflake上ですぐに利用可能に ~Prepper Open Data Bank~

経済産業省DXオフィスでは、政府機関が保有する法人活動情報を法人番号で紐付けし、オープンデータとして公開するサイト、gBizINFOを運用しています。全国のエンジニアの皆様に、自社の事業の発展・効率化に役立てていただくため、本シリーズではgBizINFOの様々な活用事例をご紹介します!


gBizINFOとは?

gBizINFOでは、政府機関が保有する法人活動情報を法人番号で紐付けし、オープンデータとして公開しております。APIの利用も可能です。詳細はこちらをご覧ください。

シリーズ第2回目は、様々な日本のオープンデータをデータ分析のための事前処理(データプレップ)なしですぐ分析できるように加工して共有する「Prepper Open Data Bank」を提供する株式会社truestar様(以下、truestar)です。
truestarの藤様、Prepper Open Data Bankを通じてgBizINFOをご利用いただいているユーザー企業の皆様にインタビューしました!!


インタビューのご対応者

株式会社truestar
 藤様

1.Prepper Open Data Bankとは、どのようなサービスなのでしょうか?

Prepper Open Data Bank(以下、PODB)とは、truestarが提供する、官公庁や自治体などが公開している商用・二次利用可能なオープンデータを、データプレップなしですぐに分析ができるように抽出・加工して共有するサービスです。
Snowflake社が運営するマーケットプレイス上で公開していますので、Snowflakeのアカウントをお持ちであればデータ代無償で誰でもご利用可能となっています。
https://podb.truestar.co.jp/

2023年6月時点で公開しているデータは、gBizINFOのほか、e-Statの国勢調査、国土数値情報の境界データ、医療機関や駅の地点データ、気象庁の気象データ(過去実績及び予報)、内閣府の祝日データなどです。データ更新も含めて運用を行っています。

一般的に、オープンデータを活用したデータ分析では、

データを探し出す → ダウンロードする → Zipファイルを解凍する → 不要なヘッダーや列を削除する

といった前処理が必要になりますが、PODBを用いればその大部分を省略することが可能です。
PODBは、オープンデータのパイプラインという役回りを担い、gBizINFOのようなオープンデータをすぐに使える形で分析者のお手元までお届けすることで余計な前処理作業を削減することができます。これにより、国内の貴重なデータを利活用促進し、貴重なデータ分析人材による付加価値を増やし、日本企業のデータドリブンな意思決定の加速を支援できると考えています。

2.gBizINFOをどのように利用していますか?

CSVダウンロード形式(UTF-8)で共有されている全てのデータを毎日ダウンロードしています。収集したデータに対し、truestar側で更新時期の付与などの一部加工を行い、Snowflake上のデータベースを日次で自動更新しています。

ビジネスにおける活用事例については、PODBを介してgBizINFOの法人データをご利用いただいている、株式会社HR Forceと株式会社ナレッジラボにご紹介いただきたいと思います。


2.1.株式会社HR Forceの活用事例

インタビューのご対応者

株式会社HR Force
 吉田様

どのようなことをされているのでしょうか?

HR Forceでは、クラウドツールの提供を通じた採用マーケティング支援のサービスを行っています。

PODBをどのように利用していますか?

弊社のCRMデータベースをPODBのデータと接続することにより、常に最新の情報にアップデートしています。

どのような課題がありましたか?

これまで、弊社のデータベースには、過去に接触した企業の情報を自動で最新のものに更新する仕組みがありませんでした。そのため、マーケティング活動を展開する際には、CRM上のデータについて、企業名や住所が現状に即しているか、その他の関連情報が申込み時から未更新でないか等、確認すべき項目が数多く存在していました。

こうしたデータは、創業当初は手作業で更新していましたが、顧客の拡大に伴いデータの名寄せコストも膨らみ、昼夜を問わずデータのクレンジング作業を行っている状況でした。そんな状況をなんとかしたいと思い、思いついたのが法人番号を通じたデータ管理のアイディアです。

PODBを用いてどのように解決しましたか?

検討当初は有償のデータベースの活用も検討しましたが、当時の弊社にとっては、そうした有償データベースの価格的な負担は決して小さいものではなく、また、情報更新頻度や掲載法人の網羅性の観点においても、やや不安がありました。

その一方で、PODBのデータは無料で利用することができるだけでなく、gBizINFOをはじめ、政府が公表している、信頼性が高く全企業を網羅したデータベースの最新の情報にアクセスできます。こうした特長は弊社にとって非常に大きな魅力でした。

今では、PODBを通じて信頼性の高いデータに接続することで、企業の最新の活動状況を把握することができ、それに基づいた適切なアクションに繋げることが可能となっています。

今後は、法人番号に紐付いた政府の情報が更に一元的にまとめて提供されることを期待しています。

2.2.株式会社ナレッジラボの活用事例

インタビューのご対応者

株式会社ナレッジラボ
 国見様
 門出様
 浅井様

どのようなことをされているのですか?

株式会社ナレッジラボでは、予算管理SaaSとコンサルティングを通じた中小企業のサポートを行っています。

PODBをどのように利用していますか?

CRMツールでの顧客データ管理のための活用を進めています。

どのような課題がありましたか。

弊社では、顧客の皆様とのやりとりを管理するため、CRMツールを活用しています。基本的には、お問合せフォームに記入いただいた情報が顧客の基本データとなりますが、より効果的なマーケティングのため、詳細な顧客情報を取得したいという課題がありました。

PODBを用いてどのように解決しましたか?

こういった課題を解決するため、企業DBサービスの導入を検討しました。DBの選定にあたって重視したのは、コストの低さとデータの信頼性です。データの信頼性は当然のことですが、今後の企業の成長も見据え、CRMの設計変更に柔軟に対応できるよう、低コストで導入できることも重視していました。

PODBの活用によって、無料のAPIを活用して、顧客の属性情報を自動で取得する仕組みを設計することができました。政府のDBから取得している、データの高い信頼性もPODBの大きな魅力の一つです。

今後は、業種の情報の取得などができるようになると、更に使い勝手のよいDBになるのではないかと考えています。


3.gBizINFOのデータを利用して良かったところはありますか?

複数の関係省庁が管理する日本企業のデータが一元的に集められているだけでなく、法人番号をキーとして全てが連携可能になっており、実用性が高いと感じています。
実際、PODBで取り扱っているオープンデータの中でも、比較的簡易な加工のみで公開することが可能になっています。

gBizINFOをデータソースとした法人データの公開がきっかけでPODBの活用を開始したユーザーも数多くいらっしゃいますので、PODBやtruestarの認知拡大にもつなげることができました。

4.gBizINFOに今後期待する点はありますか?

① データの拡充
官公庁の保持する日本企業のオープンデータがgBizINFOから全て入手できると非常にありがたいです。また、不完全な入力値やほぼ値が入っていないカラムも多いので、正確な情報の入力とその入力率が高まるとより活用の幅は拡がるのではないかと考えています。

② 時系列データ化
時系列での比較は企業の変化を見る上で非常に重要ですし、技術的に難しいものではないので実現して欲しいと思っているところです。

③ 認知の拡大
現時点でも、特にBtoBビジネスにおいては有益なデータなのですが、gBizINFOの存在自体があまり認知されておらず、非常にもったいないと感じます。PODBで共有を開始し、多数のユーザーから感謝されておりますが、gBizINFOが使いづらかったから使わなかったのではなく、知らなかったから使わなかったケースが圧倒的多数です。

事例紹介でもありましたように、多くの企業活動の効率・効果を高めるポテンシャルをもつデータですので、その価値を是非日本国内に広めて欲しいです。


5. truestarのインタビューを通して

データドリブンな社会の実現に向け、データプレップサービスでデータサイエンティストの活動を強力に支援するtruestarの取組は、オープンデータの推進により更に豊かな社会の実現を目指す私たちにとっても非常に心強い存在であると感じました。
また、ユーザーと繋がりながらスピード感を持って次々新たなサービスの提供に取り組まれている姿には、強く刺激を受けました。
いただいたご意見も参考にしながら、更に便利なサービスを皆様にお届けできるよう、引き続き励んでいきたいと思います。

本記事をご覧になられて、自社サービスにおけるgBizINFOの活用可能性等に関し、疑問やご意見がございましたら、以下の問い合わせ先からご連絡ください。
お問い合わせ | gBizINFO info.gbiz.go.jp

今回インタビューにご対応いただいた皆様

株式会社truestar
https://truestar.co.jp/

株式会社HR Force
https://www.hr-force.co.jp/

株式会社ナレッジラボ
https://knowledgelabo.com/

前回の事例紹介


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