見出し画像

私の故郷、行橋市におけるDXの現在地とこれから

みなさん、こんにちは。

私は2021年4月より、福岡県行橋市より行政事務研修員として経済産業省で働かせてもらっている本多と申します。

行橋市は、人口が約7万人ほどの地方都市で、北九州市に隣接する田園都市となっています。

昨年からの新型コロナウイルス感染拡大に伴い、行政サービスにおけるオンライン化が強く望まれ、また、今年9月にデジタル庁が発足し、報道などでも大きく取り上げられたことで行政DXに関する国民の関心も、これまで以上に高まっているような気がしています。

実際に、行橋市のような地方都市では、どのような状況なのかを、私が感じる個人的見解を記事にしたいと思います。

オンライン申請の現状

まず、現在、行橋市で行われている行政手続きにおいて、オンラインで完結する手続きというのは、ほとんどありません。

手続きに必要な書類をHPからダウンロードできるものはありますが、ユーザーが印刷、記入を行い、市役所の窓口に提出するか、郵送する、というやり方が一般的です。

新型コロナウイルス感染拡大に伴い実施された、「特別定額給付金」の申請手続きについては、マイナンバーカードを所持している人に限り、オンラインでの申請が可能でした。

また、その後はワクチン接種予約については、オンラインで完結できるように予約サイトが立ち上がっていました。

画像1

職員の働き方

次に、市役所職員の働き方についてはどうでしょうか。

2020年4月に、最初の緊急事態宣言が出された時には、交代勤務となり出勤調整を行いましたが、業務で使用しているPCを庁外に持ち出すことはできず、紙の資料についても個人情報が書かれているものなどは同様に庁外へ持ち出せないため、自宅PCでできることは限られており、開店休業のような状況でした。

福岡県では4回もの緊急事態宣言が出され、最初の宣言から約1年半の時間が経過しましたが、市役所での働き方が変わり、テレワークが可能になったかというと、全くそんなことはありません。

緊急事態宣言中も、職員はこれまで通り、毎日登庁し業務を行っていました。

DXが進まない原因

では何故、行橋市ではDXが進んでいかないのでしょうか。

特別定額給付金をはじめ、国だけでなく、行橋市独自の新型コロナに関連する給付金の給付や、ワクチンの対応など、市民により近い地方自治体だからこそ、まずは、市民に安心して生活してもらえる対策を講じるため、政策を練り、素早く実行することに職員のリソースを割いた結果、テレワークはもちろんですが、自治体DXを推進させるには至りませんでした。

もちろん、職員の中に問題意識がない、というわけではありません。

しかし、本来は、目の前の課題を解決するために行う業務と、将来を見据えて行う業務を両輪で回していかなければならないところですが、現実問題として、予算や人的リソースの問題で、なかなか将来への投資が進んでいないという印象です。

画像2

行橋市におけるDXのこれから

これまで、中々DXが進んでいない行橋市ですが、2021年3月に策定された「行橋市行政サービスデジタル化基本計画」に則り、DXを推進していくことになっています。

まず今年度は、70手続き/年間20万件の行政手続きをオンライン化するためのシステム導入に着手しました。

私は、経済産業省において、法人番号に紐付けた行政が保有するオープンデータを一元的に検索するgBizINFOというシステムの保守・運用に従事しています。

その経験を活かして、行橋市に戻った時には、これまでよりもDXを推進できるよう、行政手続きにおけるワンスオンリーに資するようなデータベースの構築に携わってみたいと考えています。