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全体を俯瞰して仕事をしよう

デジタル化推進マネージャーの佐々木です。
普段は、中小企業庁向けにDX推進支援を行っています。

早いもので令和4年度も終盤に差し掛かり読者の皆様も年度末作業や、次年度の準備などでご多忙な方もいらっしゃるのではないかと思います。
その様な中でも、年度末は自分達の業務の棚卸しや振り返りをする良いタイミングでもありますので、今回は、私見となりますが「全体を俯瞰して仕事をしよう」というテーマで投稿してみようと思います。

1.問題解決が仕事

行政組織は普段、国や地域の経済発展および抱える社会的課題を解決する為に政策を立案し、実行しています。
実行に際しては、政策の対象となる法人・個人に対して、スピディーに解決策を提供する上で、最先端のIT技術を活用するということについては昨今、至極当然のこととなっています。

図1.経済発展と社会課題の解決

2.IT関連業務と関わる部署について知る

行政組織の業務は、幾つものプロセス・ルールが存在し、さらに省内部署だけでなく他省庁も意思決定に関与することがありますので、全て網羅的に記載することはできませんが、私が関わっている中小企業庁を例に、IT関連業務(予算要求関連除く)は、どのような業務に収斂されるだろうか?と想像してみると、この様な図になってくると思います。

図2.IT関連業務の流れ

<業務の流れについて>
政策をITを活用して実現していくには、まず情報化統括を行う組織(デジタル庁、中企庁幹部職員(次長、部長級))がIT戦略を考え、現場の課・室に対して指示を出して戦略が実行されるように動いてもらう必要があります。
しかし、指揮命令系統、業務量を考慮すると、情報化統括を行う組織だけでは推進しきれないので、現場に対して統制・管理、モニタリングなどのガバナンスを行う組織として、DX室を配置して協力してもらいます。
課・室は、DX室と協力し、相互補完しながら事業の企画・調達及び、発注側としてプロジェクトマネジメントを行い、事業を円滑に運営していきます。

<役割について>
情報化統括を行う組織の役割は、情報化戦略の立案、実行を担うことが非常に重要になってきます。現場で不具合が発生する場合は、DX室だけに任せるのではなく、直接現場に入り込んで対応することも求められます。

DX室の役割は、情報化統括を行う組織が描く戦略が滞りなく、実行される為に、現場と連携しガバナンスを効かせながら必要なサポートを行います。

課・室の役割は、個々の事業の執行を行います。
特にITマネジメントについては、必要に応じてDX室に支援してもらい、互いに協力して事業運営を行います。

3.部署の役割と主要業務をセットで俯瞰してみる

各関連部署と、役割、主要な業務を一覧形式で可視化してみると、
「誰が・(どこの部署が)」、「どういった役割で」、「どのような業務を担当しているか」ということについて全体俯瞰ができるので、現場の担当者レベルであっても自分達の個々の業務が全体の中でどの位置付けにあるのか、どのように作用しているのか把握できると思います。

図3.部署と役割、主要業務


さらに、副次的な話になりますが、このレベルでまとまっていれば、各部署に人材を配置する時や、外部の専門家人材を採用する時に必要になるジョブディスクリプションを作りやすくなると思います。

4.まとめ

我々の業務は、問題解決に資するものでなければならないと思います。

全体を俯瞰できず、物事を点で捉えてしまうと、業務の歩留まりが発生したり、業務目的がわからず他責思考となってしまったり、モチベーションが下がってしまうので注意が必要です。

全体を俯瞰することだけで業務が全てうまく回ることは決してありませんが、基本的なことではあるので、情報化統括を行う組織やDX室のメンバーは、年度末に限らず、定期的に課・室の職員を集めて、全体業務の説明やそれらに関わる人達、役割、主要な業務を知りディスカッションをする機会を提供しても良いと思います。